1.本音が出るチームの作り方
2.はじめに
「何か困っていることある?」
1on1面談でそう聞いても「特にありません」と返された経験はないだろうか。
時間を取っているのに本音が出てこない。
形式だけの面談になっている。
正直、意味を感じられない。
実はこれ、多くの職場で起きている “失敗する1on1” の典型例だ。
しかし、やり方を少し変えるだけで1on1面談はチームの空気を一変させる強力なマネジメント方法になる。
そのカギが 心理的安全性 である。
この記事では、
- なぜ1on1が心理的安全性を高めるのか
- 形だけで終わる面談との違い
- 現場で効果が出た具体的な進め方
を実体験を交えながら解説する。
3.なぜ1on1面談が職場環境改善につながるのか
心理的安全性とは、
「この人になら本音を言っても大丈夫」
と思える安心感のことだ。
逆にこれが低い職場では、
- 不満を言えない
- ミスを隠す
- 相談できない
- 人間関係ストレスが溜まる
この状態が続き、やがてマウントや陰口、離職へとつながっていく。
つまり、職場の問題の多くは「話せないこと」から始まる。
1on1面談は、その「話せない」を「話せる」に変えるための仕組みだ。
定期的に上司と部下が1対1で対話することで「ここなら本音を言っていい」という信頼関係が生まれる。
1on1は単なる面談ではなく心理的安全性を作る装置 なのである。
4.うまくいかない1on1の共通点
以前の私も失敗していた。
よくあるやり方はこうだ。
- 業務報告をさせる
- 注意や指導をする
- 評価の話をする
これは「個人面談」であって、1on1ではない。
部下からすると「また評価される時間か…」となり、本音など出るはずがない。
1on1で最もやってはいけないのは上司が話しすぎること だ。
主役は100%部下である。
5.私の現場での失敗と気づき(実体験)
物流倉庫の管理をしていた頃、離職が続いていた。
理由を聞いても「人間関係がちょっと…」と曖昧な返事ばかり。
そこで毎週1on1を始めたが、最初は全員が「問題ありません」完全に形だけだった。
しかし、あるとき私はやり方を変えた。
アドバイスも指導もやめただ聞き役に徹した。
すると少しずつ、
- 「実は〇〇さんが怖い」
- 「作業手順が分からないまま怒られる」
- 「相談できる人がいない」
そんな本音が出始めた。
そこから環境改善を進めた結果3か月後には離職がほぼ止まった。
この経験から断言できる。
✔ 1on1は「話す場」ではなく
✔ 「安心して弱音を吐ける場」にして初めて意味がある。
6.心理的安全性を高める1on1面談の具体的なやり方
① 頻度は「短時間×高頻度」
月1回60分より、週1回15分の方が効果的。
日常化することで緊張が消える。
② 目的は「評価」ではなく「支援」
最初に「今日は評価の話はしない。困っていることを聞く時間にしたい」
と明言するだけで空気が変わる。
③ 上司は7割聞く
理想は「部下7:上司3」。
話す量が増えるほど、部下は“自分の言葉”で本音を整理できる。
④ 質問はオープンクエスチョン
× 困ってる?
○ 最近やりにくいことある?
○ もっと良くするなら何変えたい?
具体的に聞くと本音が出やすい。
⑤ 解決できなくても否定しない
ここが最重要。
「それは仕方ない」
「みんな我慢してる」
これを言った瞬間、心理的安全性はゼロになる。
まずは「教えてくれてありがとう」と受け止めるだけでいい。
7.1on1は最強のチームビルディング
1on1を続けると、少しずつ変化が出る。
- 相談が増える
- ミスが早期共有される
- 人間関係ストレスが減る
- 自発的な提案が増える
つまり、チームが「守り」から「協力」へと変わる。
これはどんな研修より効果があった。
特別なスキルはいらない。
必要なのは 「部下の味方になる姿勢」 だけだ。
8.まとめ
職場環境を改善する最短ルートは、人を叱ることではない。
話を聞くことである。
心理的安全性が高まればマウントも対立も自然と消えていく。
1on1面談は、そのための最もシンプルで最も効果的なマネジメント方法だ。
まずは来週15分、部下の話を聞く時間を作ることから始めてほしい。
それだけで、チームの空気は確実に変わり始める。